FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

天体のメソッド12話の謎について考えてみます。(補足)

昨日の論には、いくつか腑に落ちない点、説明がつかない点がありました。
やはりネタバレがあるので、注意してください。









・柚季ちゃん、こはるちゃん、湊太くんが霧弥湖上空を見上げ、何かを思い出しそうなそぶりを見せていることを説明できない
・円盤が記憶を与える人物を選ぶというのはいささか作為的にすぎるし、複雑すぎる
・記憶が戻るタイミングを円盤が設定するというのも作為的に過ぎる
これらの難点を解決すべく、前の仮説にいくつかの修正を加えてみることにしましょう。


まず、円盤の町の記憶を取り戻した人物と取り戻さなかった人物について整理します。

取り戻したのは、乃々香ちゃんと汐音さんでした。この二人はノエルちゃん=円盤と非常に近い関係であったとともに、願いに対しても非常に強い想いを持っていた人物でした。
特に乃々香ちゃんについては、ノエルちゃんの台詞に「ノエルは乃々香が呼んだの」というのがありました。願いについては5人とも同じだったにも関わらず、ここでは「みんなが呼んだ」ではなく「乃々香が呼んだ」というように限定されています。これは乃々香ちゃんに対する台詞なので、単に乃々香ちゃんが主体になっているだけともとれますが、乃々香ちゃんの願いが一番強い、言い換えると切実だったともとれるのではないでしょうか。事実、円盤を呼ぼうとした直接のきっかけは乃々香ちゃんの避けようがない引っ越しで、そういった事情がない柚季ちゃん・こはるちゃん・湊太くんのそれよりは強くなって当然と言えるはずです。(水坂兄妹については当日に喧嘩をしたという事情はありますが、自分が遠くに行ってしまうという乃々香ちゃんの事情よりは弱いといっても問題ないかと思います。)
汐音さんについては、直近で引っ越しの予定などがあったわけではないのは他の3人と同様ではあります。しかし、彼女は元々とても寂しがり屋であり、さらに乃々香ちゃんは自分を孤独から救い出してくれた存在でもあるので、この関係を失いたくない気持ちは人一倍強いといえるでしょう。

対して、取り戻さなかった人物は、柚季ちゃん、こはるちゃん、湊太くんの3人と、修一氏でした。お父さんが願いと関係ないのは当然として、柚季ちゃんのグループの願いに対する想いはというと、弱めといっても差し支えないでしょう。
この3人は元々幼なじみで、おそらく小学校も同じでずっと一緒にいた仲間だと思われます。幼乃々香ちゃんの台詞に「小学校も違うからここ(天文台)でしか一緒に遊べない」というのがありましたが、これはつまり乃々香ちゃんとあの3人が違う小学校に通っていたということで、全員が違う学校という意味ではないと思われます。家の近さからいっても間違いはないでしょう(乃々香ちゃんの家はバスターミナルのある町の中心部からだいぶ離れているような描かれ方をしており、別校区だとして何ら違和感はありません)。汐音さんも、乃々香ちゃんの紹介で初めて3人と出会ったことからして、別校区で間違いないでしょう。
つまり、あの3人は昔から常に一緒で、未来のこと(小学生が実感できる範囲において)を考えても別離の不安はさほどなかったはずです。ですから、願いを叶えられなければ自分は友達を失ってしまうというような切実な想いは薄かったと考えられます。

こうして改めて整理してみると、他の方の考察・推測で既に述べられていることではありましたが、願いに対する想いが強かった人物のみが円盤の町の記憶を取り戻せたという事実が浮かび上がります。
そこで、「円盤は、選んだ人物に円盤の町の記憶を与える」という仮説を「円盤の町の記憶は、願いへの想いが強ければ取り戻せる」というものに差し替えてみると、水坂兄妹とこはるちゃんが「何かを失ったのかもしれない」というそぶりを見せていることが説明できそうです。この3人は願いへの想いが強くなかったので円盤の町の記憶をまだ取り戻せてはいませんが、焦燥し必死に言葉を紡ぎ続ける乃々香ちゃんに心動かされ、その言葉にたびたび出てくる円盤、そして、かつての願いを思い起こしつつあり、それに連動して記憶を取り戻す可能性が出てきている、と考えることが出来ます。

更に、「円盤が記憶を与える人物を選ぶというのは複雑すぎ、作為的すぎる」という難点への答えにもなります。それぞれの人物の想いの強さは円盤の意志(?)の及ぶところではなく、それとは別のところで決定される事項であるので、記憶を得られる人物がいわば自動的に決定されることになります。


ここで、一つの疑問がわきます。
「なぜ、想いが強い人物に円盤の町の記憶が戻れば、円盤のない町でも願いが叶うというのか?」
これは、次のような考え方で説明できるのではないでしょうか。
円盤の町の記憶は、願いが叶うまでの課程を記した道しるべでもあります。そして、想いが強い人物は、巻き戻されて願いがまだ叶っていない状態に戻ったこの世界でも、再び願いを叶えたいと強く願い、それを実現するための行動を起こすはずです。その際に、以前に願いが叶った記憶、すなわち経験があれば、それを応用し、まっさらな状態よりは易しく願いを叶えられると考えられます。
円盤のある町での経験が、円盤のない町で役に立つのか、という疑問については、円盤が町の人、そして世界の人々にどう思われていたかを思い出してください。

「霧弥湖上空に現れた謎の円盤。
出現当時は世界中を大混乱に陥れたが、そこに留まるだけの円盤への恐怖心は消え、次第に観光地となり、徐々に人々の興味も薄れて行った・・・」
イントロダクション

そう、円盤は見かけ上、そこにあってもなくてもたいして何も変わらないものであったのです。もちろん、願いを叶えるために円盤=ノエルちゃんは様々な働きかけをしていました。その働きかけがあったからこそ願いは叶ったのですが、ノエルちゃんがしていたことは「不思議な、なにかで」何かしていたわけではなく、見て、聞いて、話すといった、他の人間にもやろうと思えば出来ることでした。
であれば、円盤のない町、ノエルちゃんのいない町で願いを叶えるためには、あの町での記憶を元に、彼女がやっていたことを補ってやればよいのです。それは決して容易ではないかもしれませんが、強い想い、意志を持った乃々香ちゃんや汐音さんにとっては、不可能ではないはずです。


それでは、タイミングの話についても説を組み直してみましょう。
1話でも12話でも、冒頭、車があのトンネルにさしかかったところで、乃々香ちゃんは「ここ……」と、トンネル内の光景にちょっとした反応を示します。更に、「覚えているのか?」という問いに「あんまり」と答えます。「全然」ではなく、「あんまり」。つまり、乃々香ちゃんはこのトンネルをごくわずかとはいえ覚えていることになります。
この物語に限らず、人の記憶というのはそれに結びついた刺激をきっかけにして連想され、呼び覚まされるという性質があります。では、円盤の町の記憶も、それに結びついた事柄によって呼び覚まされる仕組みだとしたら?
「願いへの想いが強く、かつ、円盤の町=霧弥湖町と結びついた刺激が加わる」という条件がそろったときに円盤の町の記憶が蘇るならば、乃々香ちゃんの想いの強さは条件を満たしており、後は円盤の町と結びついた刺激が加われば全ての条件が満たされます。後者の条件が初めて満たされるのがあのトンネルであったがために、12話冒頭のトンネル内で乃々香ちゃんは全てを思い出した、そう考えることが出来るでしょう。

なお、この時点で乃々香ちゃんは、かつての願いどころか友達のことを全て忘れていたではないか、という疑問がありますが、それは問題ではないのでしょう。
8話を思い出してください。夜の学校で、プラネタリウムの光に照らされながら乃々香ちゃんが言った言葉。
「でも、汐音と一緒に流星群を見たい、この気持ちはずっとここに残ってた。あの頃のまま。」
そう、ずっと残っていたんです。あの頃の願いは、お母さんを失った悲しみと一緒に心の奥底に沈められ、思い返せないように閉じ込められてはいても、いつも乃々香ちゃんの心にあったのですから。条件を満たすには、それで十分だったのでしょう。

汐音さんに関しては描写がありませんが、私の勝手な想像では、例の「ともだち」と書かれた写真なのかな、と思ってます。円盤のない世界では汐音さんは引っ越してしまいますが、その際に写真はどこかに仕舞い込まれており、それが何かの拍子に見つかり、それをきっかけにして円盤の町の記憶を得ることになる、そんな感じだったのではないかな、と考えてます。


以上の再検討を経て、円盤が願いを叶える仕組みを推測し直すと、次のようになります。
・円盤は呼び出されると、円盤のある世界で願いが叶うように働きかけを行う
・願いを叶えられた場合、円盤は姿を消した上で時間を巻き戻す
・円盤のある世界での記憶は、願いへの想いが強い者にのみ戻る
・記憶が戻るきっかけは、円盤の勢力範囲(今回は、霧弥湖町)へ繋がる光景や物品などに触れること
・円盤の町の記憶が戻った人物がその記憶によって行動を起こすことで、円盤のない世界でも願いが叶う
だいぶ単純化されてすっきりしたのではないでしょうか。


ただ、この新しい仮説が正しかったとして、もし汐音さんの想いが弱かったなら、記憶が戻ったのが乃々香ちゃんだけになって彼女は絶望で壊れてしまったでしょうね。乃々香ちゃんが壊れてしまわないように汐音さんに記憶を与える、といった作為を行う余地がないのですから。
逆に言うと、作為無しでも汐音さんがその想いの強さ故に乃々香ちゃんを救えたことになって、汐音さんの運命の人度合いがますますアップする、とは考えられます。
スポンサーサイト

コメント

 

コメント

 
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

Powered by FC2 Blog

FC2Ad


Copyright © 北原 佳砂乃 / 雨上がりの青空を探して。 All Rights Reserved.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。